webでマーケティングをする際は、商品の購入や資料ダウンロードなど、目的があると思います。
その目的を達成するために、LPを用意したり、動画を作ったり、広告を打ったりします。その際に、使えるのが心理学です。
この記事では、webマーケティングでより高い効果を出すために使える心理学を紹介します。
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この記事の目次
webサイトや広告はちゃんと見られない!
まず、webマーケティングをする際に頭に入れておくべきことが、人はwebサイトや広告をちゃんと見ないということです。
ちゃんと見ない前提でキャッチコピーを考えたり、使用する画像を選ばないと、せっかく予算や時間をかけても効果が薄くなってしまいます。
有名な話しで、広告業界では『3つのNOT』というものがあります。
- Not read = 読まない
- Not believe = 信じない
- Not act = 行動しない
この3つのNOTを考慮して、いかに読ませて、信じさせて、行動させるかがポイントになってきます。
数字の見せ方に使える心理効果
webサイトや広告では金額などの数字を記載することもあります。同じ数字でも見せ方によって多く見せたり、少なく見せたりすることが可能です。
ここでは数字を記載する際に使える、心理効果を紹介します。
アンカリング効果
29800円 → 今だけ19800円!!
よくあるのが、このような見せ方です。
いつ見ても値下げしている商品はよくあります。例えば、Udemyはこのセールの効果をよく使っています。
シャルパンティエ効果
リポビタンDは『タウリン1000mg配合』というコピーを使っていますが、これが『タウリン1g配合』だとなんだかパッとしません。もちろん1000mg=1gなので同じですが、このように受ける印象は変わってきます。
金額でも同じような効果があります。
- 年会費10万円
- 月々8300円
どちらも同じですが、Bの方が負担が少ない印象を受けます。
- 1日120円、ジュース1本分で〇〇出来ます!
このように、1日単位で表現することも出来ます。
松竹梅の法則
- スタータープラン:2000円
- ベーシックプラン:4000円
- プロプラン:6000円
このように3段階のプランを用意することがよくあります。
この場合1番無難な、真ん中のプランが選ばれることが多くなります。従って、1 番推したいプランを真ん中に持ってくると良いです。
フレーミング効果
- A:100人に5人が失敗する手術です
- B:成功率95%の手術です
どちらも同じことですが、Bの方が人は成功確率が高いかのような印象を受けます。このように言い回しを工夫することで、見てる人の印象を操作することが出来ます。
webサイトのファーストビューで意識したい心理効果
webサイトではファーストビューがとても重要です。
LPではファーストビューでの離脱率が70%以上とも言われています。見る価値のあるサイトと判断してもらうために、ファーストビューで自分ごとにさせる必要があります。
ここではファーストビューに使える、心理効果を紹介します。
初頭効果
サイト内で1番最初に目に入るのはファーストビューになります。
- 良い印象を与えられるように画像、キャッチコピー、デザインを工夫する
- 自分に当てはまることだと自覚させる
これらを意識すると良いです。
また、初頭効果とは逆に最後に受けた印象が強く残る、親近効果という心理効果もあります。ただ、前述したようにwebサイトは最後まで見られない前提で作るべきなので、親近効果より初頭効果を意識すべきです。
ハロー効果
例えば、会社を経営してるというだけでお金持ちで優秀な印象を受けたり、東大卒というだけで仕事ができて立派な人だと印象を受けたりします。
webサイトではファーストビューで良い印象を与えられれば、それに影響されて、ページ内の情報も良い印象付けをすることができるかもしれません。
文脈効果
水滴のついたグラスに注がれたビールはキンキンに冷えていて美味しそうな印象を受けます。これも文脈効果を利用した見せ方です。何か購入させたいものがある場合、文脈効果を意識してデザインすると良いです。
人に影響されることを利用した心理効果
何か決断をする際に、自分の身近な人に相談したり、有名人の意見を参考にすることがよくあります。
ここでは人に影響されることを利用した、心理効果を紹介します。
バンドワゴン効果
- 5人に1人が使っています。
- 10万個完売から再入荷
- 1分に1つ売れています
このように人気がある印象を与えるコピーを目にしたことがあるのではないでしょうか。実績があればこのような見せ方も効果的です。
同調効果
人は多くの人がとっている行動に流されやすいとも言えます。
- 累計100万個販売実績
- 満足度98%
これらのコピーを見ると、自分も買った方がいいのかな?みんなが持ってるってことは良いものなのかな?と感じてしまいます。
スノッブ効果
バンドワゴン効果や同調効果とは逆になるので、使い分けが必要です。
例えば、化粧品など自分が家で使うようなものは、人と同じだから嫌だとは思いませんよね?逆にみんなが使ってるから良いと思う傾向が強いと思います。
洋服やバッグではどうでしょう?人と同じは嫌だと感じる人も多いかもしれません。
限定品に価値を感じるのが、スノッブ効果の代表例です。
ウィンザー効果
取引先の女性Aさんに『今度ぜひ食事でも行きましょう!』なんて言われたら、嬉しいけど、社交辞令かな?と感じるかもしれません。
しかし、もしそれがAさんの上司Bさんから『Aさんが食事行きたいと言っていましたよ!』と言われたらどうでしょう?信憑性が増します。
webサイトでは口コミやレビューを入れることで、その商品の信頼性をあげることができます。
コンバージョン後に使える心理効果
購入後のフォローによってリピーターを作ったり、クロスセルやアップセルによって、LTVをあげることもマーケティングにおいては重要な施策になってきます。
ここでは購入などのコンバージョン後に使える、心理効果を紹介します。
保有効果
手に入れる前より、手に入れた後の方が価値を高く感じます。この効果を利用したのが、返金保証、全額返金などです。返金保証がついていることで、購入のハードルを下げ、購入後は保有効果によって手放したくなくなることを狙います。
ディドロ効果
家具などはイメージしやすいと思います。同じテイストで全部揃えたくなります。これを利用して、1度購入してくれた人に、他にも商品をおすすめすることも可能です。
- セットで買うと10%オフ
- この商品を購入した方はこんな商品も購入しています。
これらのコピーでセット販売やクロスセルを狙うのも良いでしょう。
テンション・リダクション効果
緊張が緩む結果、付属品や関連商品をセールスがしやすくなります。
エステで何十万もかかるプランを契約後に、この美容液が…なんてセールスが始まるのはあるあるです。20万のプランを契約した後は1万の美容液が安く感じます。
このように一般的にクロスセルをする際は、最初の商品より価格の低いものを提案した方が購入に至りやすいと言われています。
画像や動画に使える心理効果
多くの場合、webサイトはテキストだけではなく、画像や動画も使用します。最近はデバイスやブラウザのスペックが上がり、動画を自動で流したいなんて要望もあります。
ここでは画像や動画に使える、心理効果を紹介します。
ベビーフェイス効果
- 大きな目
- 丸い顔や鼻、手足など
- 広い額
- やわらかそうな頬
上記のような、赤ちゃんと同じような特徴があるものでも、同様の効果があります。
webサイト内で赤ちゃんの画像を使用するのは無理がある場合も多いので、代わりに女性の画像を使うと良いです。
ターゲットにもよりますが、一般的に男性の画像よりも女性の画像の方がベビーフェイス効果があると言われています。
クレショフ効果
例えばシチューのCMでは最初に寒そうな映像を使用し、その後暖かそうな場所でシチューを食べるシーンに入ります。
キャッチコピーに使える心理効果
webサイト内で使うキャッチコピーはとても重要で、それを専門に仕事をする人もいるくらいです。
ここではキャッチコピーに使える、心理効果を紹介します。
バーナム効果
占いでもよく使われるテクニックで、『クールに見えるけど、人情深い一面もありますね。』なんて言われたら当てはまってるような気がしてしまうものです。
LPでは冒頭に『こんなお悩みありませんか?』と、ターゲットに当てはまりそうな悩みを箇条書きにすることがあります。ここで『確かにそう思っていた!』と感じてもらえれば、自分ごとになり、その後の情報も読んでもらいやすくなります。
バーナム効果ではありませんが、webサイト内でユーザーのことを『あなた』と呼ぶことで読まれやすくなるとことも有名です。
権威への重複原理(ミルグラム効果)
本のタイトルでもよく使われています。
- 東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法
- トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ
webサイトではファーストビューのコピーや記事のタイトルに使うと、効果的です。
カリギュラ効果
- この先は〇〇な人以外見ないでください!!
- 〇〇ならページを閉じてください
このようなコピーを見たことがある方もいるのではないでしょうか。情報商材などの怪しいサイトでもよく使われています。『決して1人では見ないでください』という映画のコピーも有名です。
両面提示の法則
良いことばかりを言われるとなんか怪しいなと思った経験はありませんか?
『価格は高いですが、実績が豊富な一流のコンサルタントがつきます。』のようにデメリット→メリットの順に伝えるとメリットが際立つと効果もあります。
認知的不協和
人はその矛盾を解消するために、2つのうちどちらかを否定することになります。
好きだった子に彼氏ができた時、自分は好きだったのに付き合えなかったという事実を解消するために、『よく考えるとあいつは性格悪い、きっと付き合ってもうまくいかなかっただろう』と自分を納得させるのです。このように認めることが簡単な方を選択します。
- 覚えない記憶術
- 我慢しないダイエット
本のタイトルでもよく使われています。
ツァイガルニク効果
- ドラマが良いところで終わる
- CMで使われる続きはwebで
これらはこの効果を利用したものです。
webサイトでは有料のコンテンツを一部無料で公開して、全部見たければ有料会員になってね!といった誘導もよく目にします。
選択の際に使える心理効果
人は何か選択する際に、意識的、無意識的にたくさんのことを考えます。
ここでは選択の際に使える、心理効果を紹介します。
プロスペクト理論(損失回避の法則)
1万円の得る喜びより、1万円失うショックの方が大きく感じます。
投資でも、よく言われることで、損失を確定するのが嫌だから、『いつか上がる、もう少しで上がる』と言い聞かせ、保有し続けて、結果的に大損失なんてことはあるあるです。
webサイトでは、得する喜びだけではなく、購入しないと損する理由をアピールすることも1つの手です。
マッチングリスク
購入前に合わなかった場合や無駄になってしまった場合のリスクを考えます。
- 購入前に無料相談を行い、信用度を増す
- 購入者の声などのレビューや口コミを掲載する
- 試供品を配る
- 無料期間を設ける
- 返金保証を設ける
購入を躊躇されるのを防ぐために、このような施策を打つこともあります。
決定回避の法則、現状維持の法則
LPでは特にあれこれ紹介するのはNGで、本当に売り出したいものを、ターゲットを刺さる形で打ち出さないといけません。
webサイトでお問い合わせのページだけヘッターのナビをなくしたり、LP内に余計な外部リンクは入れないなどの工夫も有名です。
返報性の原理
無料相談や無料プレゼントをすると、自分も何かお返しをしないといけない気持ちになります。ドモホルンリンクルはこの効果を利用して、無料お試しセットを用意しています。
サイト全体で意識したい心理効果
サイトの構成やデザインについても心理効果を意識することで、良い結果をもたらします。
ここではサイト全体で意識したい、心理効果を紹介します。
単純接触効果(ザイオンス効果)
メルマガ、アプリのプッシュ通知、SNSなどで何度も人の目につくようにすることで、印象をよくすることができます。
サイトを訪問したけれど、離脱した(購入しなかった)人に対して、再度広告を表示するリマーケティング広告でもこの効果が期待できます。
カクテルパーティー効果
例えば、フリーランスを目指している方向けのプログラミングスクールであれば、サイト内に『フリーランス』のワードを多く使うことで、読者はその部分が目につきやすくなります。
ブーメラン効果
『周囲に反対される恋ほど燃える』なんてことを聞いたことがある方もいるでしょう。
ブーメラン効果を避けるために、LPでは最初からセールスに入るのではなく、問題提起や商品の特徴から入り、最後に購入の後押しをするような構成にします。
一貫性の原理
営業や交渉で小さなイエスを稼ぐことで契約に結びつきやすくなります。
- webからの集客がなかなかうまくいっていませんよね?→イエス
- webから集客できたらかなり楽になると思いません?→イエス
- 月に1万円で1契約でもあればプラスですよね?→イエス
- 今なら1ヶ月無料のキャンペーンもやっているので試してみませんか?→イエス
このような流れで契約まで持っていく方法です。
気分一致効果
webサイトや動画などでは、見ている人の気分を上げれるように、可愛い女の子や動物を使ったり、テンションを高めにすることも重要です。
ジャパネットたかたはいつもテンションが高いのはこの効果を狙った戦略でもあります。
ストループ効果
これは文字の情報と色の情報を同時に受け取り、その情報が干渉している例です。
色が逆なことに気づかなかったり、一瞬違和感を感じ逆だと気づいたり、ストレスがかかります。こういった誤解を招かないようなデザインや配色にすることも大事です。
小さな施策を積み重ねてCVRやLTVをあげよう!!
心理効果だけでなく、ユーザーを迷わせないサイト設計にすることや、視線誘導を意識してデザインすることなど、やるべきことはたくさんあります。
1つ1つは小さいことかもしれませんが、その小さい施策の積み重ねが売り上げを上げることもあります。
この記事の冒頭にも書きましたが、謝った使い方をすると、怪しい印象になり逆効果なのでその点には注意しましょう。
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